愛知県犬山市 国史跡「青塚古墳」

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企画展「楽田,埋もれた未知の歴史」展 平成28年12月6日-2月5日まで
■ 青塚古墳ガイダンス施設 年末年始の休館 12月28日〜1月4日
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壺形埴輪の発見

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基底石に沿って配置された「壺形埴輪」

壺形埴輪の配置

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2メートル間隔に配置された壺形埴輪

葺石と壺形埴輪

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石垣状に積み上げられた基底石,その背後には多量の控え積み状の河原石が見える

壺形埴輪

大きな基礎となる基底石に沿って壺形埴輪が配置されています。青塚古墳では,墳丘を取り囲むように,各段の平坦面には壺形埴輪が立て並べれていたことになります。
基底石との間にはほとんど空間が見られませんので,おそらく石垣状の基底石に立て掛けるように置かれていたものと思われます。壺形埴輪は約二メートル間隔で配置され,その方法は,若干の窪みを作って、壺の底部だけを固定するものであったと思われます。ほとんど平坦に据え置かれた状況だったようです。
調査では各所で壺形埴輪が発見されましたが,すべて底部付近だけが残っていました。長い年月の間に壊れてしまったようです。

壺形埴輪の種類

青塚古墳を代表する出土遺物として,墳丘全体に巡っていた壺形埴輪があります。壷形埴輪は全て焼く前に底部に孔があけられたもので,壺の口の形が二段になっています。正式には「二重口縁壺形埴輪」と呼ばれています。さらに外面にはほぼ全面に赤色顔料(ベンガラ)が塗られていました。かつての古墳の風景は・・・,白い河原石の葺石とその前に置かれた赤い色の壺形埴輪,約二メートル間隔で配置されていた赤い色をした「壺はにわ」はとても目立っていた事でしょう。
青塚古墳から出土しました壺形埴輪を調べていくと,壺形埴輪には,大きく二つのタイプがあることがわかります。二段の口縁もち長い胴部をもつもの(A類)と,頸の部分に帯をもち,下膨れの胴部をもつもの(B類)とがあります。底部は,すべて形が出来上がった後に,改めて焼く前に円形の孔をあける方法で作られました。
壺形埴輪は、高さ約六〇〜七〇センチメートルで、口縁部は三五センチメートル前後を測るものが一般的です。赤色顔料は口縁から体部にかけて塗られていますが,据え置かれる底部付近には顔料が見られません。壷形埴輪は器壁が薄く丁寧な作りのものが多いようです。

青塚古墳の円筒埴輪

青塚古墳からは円筒埴輪が出土してます。
ただし,その場所は限定されます。前方部上に存在します「方形壇状遺構」と呼ばれている場所の周囲にだけ円筒埴輪が使用されていました。「方形壇状遺構」は青塚古墳が造営された後に,あたらめて設置された施設だと考えられてます。

壺形埴輪A写真.jpg壺形埴輪

壺形埴輪B写真.jpg壺形埴輪