こんにちは、大塚です。

ブログにてお知らせしましたが、堀部邸・しだみゅー・青塚古墳とも5月に入っても休館が続きます。

気分は落ち込みますが、花々が咲き変わっていく春の景色に癒されて過ごす日々です。

 

犬山では、一昨日の強風で、例年より長く咲いていた桜もいよいよ散り終えてきました。

満開の桜もいいですが、桜吹雪の中で川面に浮かぶ花びらも眺めるのも、この時期らしい景色の楽しみ方ですよね。

 

さて、「犬山八景」というのをご存知でしょうか?

「花散澤夜雨」「継鹿尾山秋月」「木津帰帆」「白山暮雪」「内田夕照」「瑞泉寺晩鐘」「白帝城晴嵐」「田中落雁」

いつの頃から使われ始めたのかは定かではないですが、犬山の8カ所の優れた風景を選んだもので、詩歌に詠まれたり、犬山焼の意匠に用いられたりしています。

 

この犬山八景の一つに挙げられる「花散澤夜雨」。

昭和2年発行の『木曽川探勝案内』という書物には、瑞泉寺の山門から南へ2、3丁くだり線路を渡った場所に、泉が湧いていて、その畔に桜が咲き誇っていたとのこと。そこが「花散澤」の名所だったと紹介されています。

その場所は定かではありませんが、妙感寺古墳と向かい合わせという記述もあるので、天王坂付近、針綱神社「御旅所」がある辺りになるでしょうか。

 

現在、沢はなく「花散澤」の風景を楽しむことはできませんが、今も昔も、季節の移り変わりを楽しむのは変わらないですね。

 

山さくら 盛りののちの嵐には 花散る澤の名をも立つらし  (烏丸前大納言光祖卿)

 

桜は散って、ツツジがいよいよ蕾を膨らませ始めました。