こんにちは、大塚です。
昨年度末には青塚古墳にて「地域に眠る文化遺産in城東」と題して企画展を行っておりましたが、2月末から臨時閉館してしまったので、残念ながら期間を終えることなく、終了してしまいました。
ということで、今日は企画展で展示していた城東地区の古墳をご紹介。
ご紹介するのは、安戸にある「白山神社古墳」です。
現在建っている白山神社社殿の改築の際に石室と多くの須恵器が見つかり、出土した物などから6世紀後半頃の古墳と考えられます。
見つかったものの中で特筆されるのは、鳥形つまみのついた須恵器(すえき)の蓋。
鳥の形をした”つまみ”がついた須恵器は、この東海地域で数多く見つかっている特徴的な資料で、尾張北部では、この白山神社古墳でしか見つかっていないんですよ!
鳥は「霊魂を運ぶもの」とも考えられており、また鳥形つまみ須恵器の多くは、古墳から見つかっていることから、葬送儀礼に関わるものと考えられます。
この白山神社古墳から見つかった鳥は、一見カモノハシのようにも見えますが、ちゃんと羽根の表現もあり、れっきとした鳥さんです。
そして、尻尾に何やら”おでき”のようなものが付いています。
果たしてこれは…?
…と悩んでいたところ、A理事長より「鷹のお鈴かも。」とご教示いただきました。
埴輪の鷹匠の肩にとまる鷹をよーく見ると、確かに尻尾に鈴のようなおできが!
もとい、おできのような鈴が!
鷹がどこにいるかを音で把握するためにつけるそうで、現在の鷹匠も、鷹の尾に鈴を付けています。
この白山神社古墳の鳥も、ひょっとしたら鷹匠の鷹をモチーフにしていたのかもしれません。
果たして、鷹を持った須恵器が納められた古墳に眠る人物とはどんな人だったのでしょうか。
想像が膨らみますね〜。
こちらの白山神社古墳群からの出土した鳥形つまみ付須恵器は、展示室に常設しています。
開館したら、ぜひ鳥さんに会いに来てくださいね〜!
*さらに詳しい情報は「犬山たび」にて。こちらからダウンロード→「犬山たび」)
*参考文献:2015 柴垣勇夫「特殊製品」『愛知県史別編 窯業1 古代猿投系』